vEdge 100mによるLTE回線の利用

vEdgeルータ製品ファミリー」の回でご紹介したように、vEdgeにはそれ自身でネイティブにLTE接続に対応するvEdge 100mというモデルがあります。今日は、このLTE回線を使ったユースケースやメリットをご紹介したいと思います。

vEdge 100mの概要

vEdge 100mvEdge 100b相当のハードウェアにLTE接続のためのモデムを内蔵したモデルです。MPLS、広域イーサネット、インターネットなどの従来のWAN回線を使いながら、同時にLTE接続もWAN回線の1つとして利用できます。

vEdge 100mには内蔵モデムの異なる複数のモデルがあります。日本国内で現在提供開始しているvEdge 100mNTT DocomoLTE回線に対応するvEdge 100m-NTと呼ばれるモデルです。vEdge 100mの底面にSIMカードを挿すスロットがあり、NTT DocomoのデータSIMカードを挿すことで、LTE回線に接続できます。また、NTT Docomoの回線を使用するNVMO (仮想移動体通信事業者)のデータSIMカードを使うという選択肢もあります。OCN Mobile OneSORACOM AirIIJmioといった多数のNVMOのSIMカードで接続実績がありますが、NVMOを使用される場合には、事前に接続テストを実施いただけると安心です。

AUおよびSoftbankに対応したvEdge 100mのモデルについても、必要な認証等の作業が完了し次第、提供を開始したいと考えています。

LTE回線を使うユースケース

LTE回線を使うユースケースとしてよく挙げられるものが、下記の3つです。

  • 開通が早い、持ち運びが可能
  • バックアップ回線として
  • 従来のWAN回線が提供されない地域でも利用できるケースがある

従来の回線サービスでは、開通までに月単位の時間を要することも珍しくありません。LTE回線の場合、SIMカードを購入しアクティベーション作業を実施するだけで接続することができます。また、LTE接続の提供地域内であれば、vEdge 100mをどこに運んでもそのまま使うことができます。移動を前提とした期間限定の拠点が必要な、イベント運営、工事現場、営業所などでは、LTE回線の利用は魅力的なソリューションとなります。

また、国内では、フレッツのバックアップ回線としてADSLを使用していたような拠点で、ADSLの新規契約の停止や今後のサービス終了に対応するためにLTE回線の採用を検討する企業が増えています。また、後述のゼロタッチプロビジョニングにも対応していることからPPPoE回線の拠点でゼロタッチをLTEで実施し、完了後はバックアップ回線として扱うというケースもあります。

アジアなど海外では、一般的な有線のWAN回線サービスが提供されていない地域でも、LTE接続は可能というケースは少なくありません。このような地域に拠点を持つ企業にとってもvEdge 100mは魅力的なソリューションとなります。

LTE回線の通信量についての考慮

本来LTE回線は大容量のデータを常時やりとりする目的で提供されている回線サービスではないため、通信量について上限がある、もしくは、通信が一定量を超えると回線速度が大きく制限される契約も多くあります。このような場合には、vEdgeの設定を変更することより、通信量を最小化することができます。

具体的には、コントロールコネクションの中で使用されるOMP (Overlay Management Protocol)のHelloパケット、IPsecトンネルの中で使用されるBFDパケット、および、Path MTU Discoveryの3つの定期的なパケット送出の間隔を大きく設定することができます。

また、バックアップ用途でLTE回線を使う場合、vEdgeのLast Resort Circuit機能が便利です。この機能では、他のすべてのWAN回線上のトンネルがダウンした場合にのみ自動的にLTE接続を有効化します。vEdgeがLTE回線以外のWAN回線でコントローラとの通信やデータの送受信を行える限り、LTE回線にはデータが一切流れないため、LTE回線の契約内容によってはコストメリットの大きい設定です。

LTE回線を使ったゼロタッチプロビジョニング

16.3以降のソフトウェアでは、LTE回線を使ったゼロタッチプロビジョニングがサポートされています。現在は、vEdge 100mをゼロタッチプロビジョニングで展開する場合、有線タイプのWAN回線を使用する必要がありました。16.3以降ではSIMカードに含まれる識別子を読み取ることで、接続先となるキャリアを判断し、適切な接続プロファイル (共通化されたユーザIDおよびパスワード)を自動的に読み込むようになっています。このため、ゼロタッチでLTE回線に接続し、ゼロタッチプロビジョニングのプロセスを進めることができます。LTE回線のみの拠点にvEdgeを展開する場合だけでなく、併用する有線タイプのWAN回線でPPPoEが必須の場合にも、LTE回線をつかったゼロタッチプロビジョニングは有効です。

なお、複数のNVMOが同一の識別子を使用しているケースもあるため、全てのキャリアとNVMO事業者でゼロタッチプロビジョニングができるわけではありません。詳細は事前に弊社もしくは弊社のパートナー様までお問い合わせください。

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