SD-WANへのスムースなマイグレーション

SD-WANを導入するにあたり、全く新規にネットワークを構築すること(いわゆる「グリーンフィールド」な案件)は稀だと思います。したがって既存のWAN環境に段階的にSD-WANを適用して行く必要があります。まずは数拠点でパイロット的な適用を行い、順次適用を拡大して行くわけですが、それがスムースに行えるかどうかは実はとても重要な要件です。機能の多少の多い少ないよりも、むしろこの既存環境からのスムースなマイグレーションができるかどうかのほうがSD-WANを採用する上で重要な判断材料と言ってもいいかもしれません。

ステップ1: LAN側でインテグレーション

ViptelaのSD-WANソリューションはこのマイグレーションがスムースにできるように設計されています。既存ネットワークとのインテグレーションに際し最も非破壊的なやり方は、既存のネットワーク(例えばMPLS環境)には全く手を加えず、それと並列に別の回線(例えばインターネット)をWAN回線に使用したvEdgeによるネットワークを作り、LAN側で二つのネットワークを統合する方法です。

既存ネットワークと並列に展開し、LAN側でインテグレーション
既存ネットワークと並列に展開し、LAN側でインテグレーション

このような構成を取れば、ある意味MPLSとインターネットによるハイブリッドなWAN環境を作ることができます。このような構成が可能なのは、vEdgeが既存のLAN環境で使われているルーティングプロトコル(典型的にはOSPFですが、BGPの場合もあるかもしれません)をフルにサポートしているからです。ルーティングプロトコルを使ってLAN側でインテグレーションするわけです。

ステップ2: ハイブリッドなネットワークを構成

一旦上記のような構成が取れれば、既存ネットワークに若干の設定変更(具体的にはvEdgeからMPLSのCEルータに足を伸ばしてやる)をすることで、今度はvEdgeがインターネットに加えてMPLS回線を使ったWANを使うことができるようになります。この構成ができれば、今までご紹介してきたさまざまなユースケース(アプリケーション種別によるWAN回線の使い分け、アプリケーションのSLAに応じたルーティング、など)をすべて利用することができます。

MPLS CEに足を伸ばして、ハイブリッドなネットワークを構成
MPLS CEに足を伸ばして、ハイブリッドなネットワークを構成

ステップ3: 既存CEルータを巻き取り

最終的にはMPLSのCEルータもvEdgeで巻き取って、全てvEdgeで構成をできればベストです。vEdgeはWAN側においてもBGPやOSPFを喋ることができますので、既存CEルータを置き換えるのに十分な機能を持っています。

既存CEルータをvEdgeで巻き取る
既存CEルータをvEdgeで巻き取る

いきなりこの最終形に持っていければ理想的ではありますが、実際には上記のように徐々に適用の対象を広めていき、最終的に全てをSD-WAN化するのがより現実的でしょう。

LAN側、WAN側両方においてvEdgeのルーティング機能は非常に充実しています。ルーティング機能はSD-WANに固有の話ではないので見落としがちですが、SD-WANへの移行設計をする際に非常に重要な要素になりますので注意するようにしましょう。

いずれにせよ移行期間中には既存ネットワークとの共存が必要になります。具体的にどのような構成を取れば良いのかについては次回に解説をしたいと思います。

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