ユースケース:アプリケーション対応ルーティング

今日からViptelaSD-WANソリューションのユースケースについて具体的にご紹介していきます。

SD-WANを導入した企業、もしくは、導入を検討する企業の非常に多くは、WAN回線をよりコスト効率よく使いながら、企業内のエンドユーザのアプリケーションの使用感も改善したいと考えています。今日ご紹介するユースケースは、この期待を実現するSD-WANの使い方で、アプリケーション対応ルーティング(英語名:Application Aware Routing)と呼ばれています。

日本の多くの企業では、WAN回線としてIP-VPNや広域イーサネットなどのサービスを2回線契約し、一方をメイン、もう一方をバックアップとして使い分けているケースが一般的です。また、拠点からのインターネット向けのトラフィックはWAN回線を経由してデータセンターに集め、データセンターのプロキシサーバやファイアウォール等を通ってインターネットに出ていく構成がよくみられます。昨今、SaaSが普及し、各拠点からOffice365Salesforceなどへのアクセスが増加したことなどから、WAN回線の帯域幅の枯渇や輻輳が発生し、エンドユーザのアプリケーション使用感を損ねているケースも少なからずあるようです。

123日の記事にあるように、各拠点のvEdge間はIPsecトンネルでつながり、フルメッシュのオーバーレイネットワークが構成されます。vEdge間のオーバーレイは全て1ホップですので、デフォルトではECMPによってすべてのWAN回線がアクティブに使われます。2つのWAN回線をメインとバックアップで使い分けていた企業にとっては、アクティブ・アクティブでWAN回線を使うことで実際に使えるWAN回線の帯域幅が増えたことになります。しかしながら、単純なECMPではエンドユーザの使用感が改善するとは限りません。アプリケーションによって、必要となる回線品質が異なる上、WAN回線によって提供される性能も異なるためす。そこで、使われるのがアプリケーション対応ルーティングと呼ばれるポリシーです。

SD-WANによる解決方法 – アプリケーション対応ルーティング

アプリケーション対応ルーティングでは、ユーザは使用するアプリケーションに対して必要な性能要件を定義します。性能要件には、遅延、ジッター(遅延の揺らぎ)、パケットロス率の3つの指標が使われます。例えば、voiceのトラフィックは遅延が20ms、ジッターが10ms、パケットロス率1%を下まわる回線品質が必要というポリシーを定義すると、vEdge間でvoiceのトラフィックを転送する際に、指定された回線品質を満たすWAN回線のみが使用されます。複数のWAN回線が指定された回線品質を満たす場合、それらのWAN回線を同時に使うことも、優先的に使用するWAN回線を指定しておくこともできます。

アプリケーション対応ルーティングアプリケーション対応ルーティングで指定可能なアプリケーションは、vEdgeがもつDeep Packet Inspection (DPI)エンジンによって識別されるアプリケーションです。現在、vEdgeのDPIエンジンは約3000種類のアプリケーションやWebサイトを識別します。ユーザは、RTP (Realtime Transport Protocol) やLine、Skypeといった個別のアプリケーションを指定してポリシーを定義することも、Audio&VideoやInstant Messagingといった同種のアプリケーションをグループ化したアプリケーションファミリーを指定して定義することも可能です。企業で使用されるアプリケーションは多岐にわたるため、特別重要なもの以外はアプリケーションファミリーでポリシーを定義すると簡便です。

vEdgeは自分が保持する全てのIPsecトンネルに対して、デフォルトでは1秒ごとにBFD (Bidirectional Forwarding Detection) パケットを送出し、遅延、ジッター、パケットロス率を計測しつづけています。アプリケーション対応ルーティングは、WAN回線がアプリケーション要件を充たしているかどうかをこの値に基づいて判断します。

以上のように、ViptelaのSD-WANソリューションによって、企業は複数のWAN回線を全てアクティブに使うだけでなく、アプリケーションの要件に合わせて適切なWAN回線を割り当て、エンドユーザのアプリケーションの使用感を向上することができます。

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